Vine Linuxはさまざまなサーバが利用できるようになっています.ここでは,これらのサーバを起動するための方法を簡単に示します.ただし,それぞれの設定はどのように利用するのかによって異なりますので,ここでは述べません.マニュアルや/usr/doc/ 以下にある各パッケージのドキュメントを参照して下さい.サーバに関する一般的なことは, /usr/doc/JF/Networking-Overview-HOWTO.txt.gzを参照してください.
ランレベルとはシステムの状態のことです.Linuxでは以下のランレベル0から6まで定義されており,ランレベルを変更することによってシステムの状態を変えることができます.特に次の節で述べる各種サーバはランレベルに応じて起動されます.「 インストール時の設定を行うには」の「サービスの設定」を参照して下さい.
ランレベルを変更するには telinitコマンドを用います.ランレベル 5に変更するには次のようにします.
# /sbin/telinit 5
telinit 0を実行するとシステムの停止(halt)を行えます.また,telinit 6を実行するとシステムの再起動(reboot)を行えます.
各種サービスはサーバによって提供されます.これらのサーバを起動したり停止するには,/etc/rc.d/init.d/にあるスクリプトとchkconfigコマンドによって行います./etc/rc.d/init.d/のスクリプトはserviceコマンドを用いることで,サーバの起動と停止をすぐに行えます.また,chkconfigコマンドはシステムを起動したときに,サービスを起動するかどうかを設定します.
大部分のサーバの起動と停止は /etc/rc.d/init.d/ に置かれたスクリプトによって制御することができます.rootになって以下の(server)の所を適切な名前にすると,使い方が表示されます.
# /sbin/service (server)
または
# /etc/rc.d/init.d/(server)
例 # /sbin/service ypbind
*** Usage: ypbind {start|stop|status|restart|condrestart}
ypbindの場合,start(起動)と,stop(停止),status(状態の表示),restart(再起動)を行うことができます.
これらのサーバをシステムが起動したときからすぐに使いたい場合は,「 システムを再設定しよう」の「サービスの設定」を参照して,chkconfigコマンドを用いて設定して下さい.
POPサーバなどのいくつかのサーバは inetdデーモンによって要求が来たときに自動的に起動されるものもあります.起動されるサービスは
/etc/inetd.confを参照して下さい.
例えば,POPに関するエントリーをみると
pop-3 stream tcp nowait root /usr/sbin/tcpd in.qpopper
になっています.クライアントからPOPの要求があると,in.qpopperが起動されます.もし,/etc/inetd.confを修正した場合は,inetdデーモンに設定を反映させる必要があります.
# /sbin/service inet reload
Vine Linuxに付属している主なサーバには以下のようなものがあります.
NIS(Network Information Service)はLANの中でのユーザ管理やホスト名の管理に使うことができます.ypserv,ypbind,yp-toolsをインストールして下さい.
/usr/doc/JF/NIS-HOWTO.txt.gz に設定の仕方が書かれています.サーバの設定ファイルは
/etc/ypserv.conf にあり,クライアントの設定ファイルは
/etc/yp.confにあります.NISの情報は /var/yp/以下に置かれます.
サービスの起動と停止は
# /sbin/service ypserv {start|stop}
# /sbin/service ypbind {start|stop}
# /sbin/service yppasswdd {start|stop}
です.
LAN内ならばIPアドレスとホスト名の対応付けを行うには/etc/hostsやNISを利用できますが,Webサーバやメールサーバなどを運用するにはインターネットからアクセスしてもらう必要があります.そのため,DNSサーバを設定し,LAN外からのホストが名前解決できるようにします.bind, bind-utilsをインストールして下さい.
/usr/doc/JF/DNS-HOWTO.txt.gzに設定の仕方が書かれています.
サービスの起動と停止は
# /sbin/service named {start|stop}
です.
World Wide Web(WWW)のためのサーバです.これには Apacheを利用することができます.設定ファイルは
/etc/httpd/conf/httpd.confに置かれています.
ServerNameに
ホスト名を設定すればとりあえず起動しますが,付属のマニュアル
/home/httpd/html/manual/index.html(または
/home/httpd/html/www.apache.jp/docs/index.html日本Apacheユーザ会(仮)
http://www.apache.jpによるApacheマニュアルの和訳)を参照し,正しく設定して下さい.マニュアルは HTML形式で書かれているのでブラウザを使って参照して下さい.WWWのトップページは /home/httpd/html/に置かれます.
サービスの起動と停止は
# /sbin/service httpd {start|stop}
です.
ApacheのWWWページは http://www.apache.org/ ですので御覧下さい.
FTP(File Transfer Protocol)サーバは,インターネットを挟んでファイルを転送するためのサーバです.Vine Linuxのパッケージも FTPで入手できますね.設定ファイルは
/etc/proftpd.confです.設定の方法や設定例が
/usr/doc/proftpd-1.2.0rc2/にありますので,参考にしてください.ftpのトップディレクトリは /home/ftp/になります.
サービスの起動と停止は
# /sbin/service proftpd {start|stop}
です.
Vine Linuxの設定では,proftpdはスタンドアローンで常時起動するようになっています.もし,inetdデーモン経由で起動させたい場合は,/etc/proftpd.confのServerTypeを
#ServerType standalone
ServerType inetd
に変更します.また,/etc/inetd.confを次のように修正する必要があります.
ftp stream tcp nowait root /usr/sbin/tcpd in.proftpd
後は,chkconfigコマンドで proftpdを起動しないようにし,inetdデーモンを再起動します.
# /sbin/chkconfig proftpd stop
# /sbin/service inet reload
[Tips] /etc/ftpusersにユーザ名を書くと,そのユーザはftpサーバにアクセスできなくなります.
メールを常時送受信するためにはメールサーバを起動しておく必要があります.プロバイダ等にメールが届く場合は必要ありません.メールサーバにはpostfixを利用することができます.設定ファイルは/etc/postfix/ 以下にあります.
/usr/doc/postfix-0.0.20010228pl08/以下に設定方法や設定例に関するドキュメントがあります.sendmailから移行する場合はCOMPATIBILITYを参照しておくと良いでしょう.また,日本語マニュアル(man postfix, man master)もありますので参照して下さい.postfixのWWWページは http://www.postfix.org/ ですので御覧下さい.
サービスの起動と停止は
# /sbin/service postfix {start|stop}
です.
ニュースサーバは大抵の場合,必要ありません.会社や大学など大きな組織に1つあれば足りますので,個人で設定することはありません.また,ニュースをフィードしてもらうために上流サイトがなければなりません.ニュースサーバにはいろいろありますが,Vine LinuxではINNが用意されています.innをインストールすると,/etc/news/以下に設定ファイルが置かれます.
/usr/doc/JF/News-HOWTO.txt.gz や /usr/doc/inn-2.2.2/にニュースに関する事項が書かれています.
DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバは,IPアドレスやネットマスクなどの情報をクライアントに提供するためにサーバです.クライアントのホストに固定のIPアドレスが必要ない場合などに使われます.DHCPに関する事項は
/usr/doc/JF/DHCP.txt.gzを参照して下さい.設定ファイルは
/usr/doc/dhcp-2.0pl5/dhcpd.conf.sampleを,/etc/dhcpd.confにコピーしてお使いください.dhcpd.confの書き方は man dhcpd.confを見て下さい.
サービスの起動と停止は
# /sbin/service dhcpd {start|stop}
です.
SMB(Session Message Block)はWindowsなどでディスクやプリンタを共有するためにプロトコルです.これを用いることによって,Vine LinuxでもWindowsなどとディスクやプリンタを共有することができます.SMBに関する事項は
/usr/doc/JF/SMB-HOWTO.txt.gz を参照して下さい.設定ファイルは/etc/smb.confや/etc/smbusersなどです.トップディレクトリは /home/sambaになります.
サービスの起動と停止は
# /sbin/service smb {start|stop}
です.
LAN内でディレクトリ(ファイルシステム)を共有することができます.各ホストは共有したディレクトリをローカルなディレクトリと同様に使用することができます.例えばサーバとなるホストの /usr/local を他のホストが共有している場合,ツールなどのインストールはサーバホストのみで良く管理の手間が省けます.設定については /usr/doc/JF/NFS-HOWTO.txt.gz を参照して下さい.
NFSではずっとマウントされていますが,automount(オートマウント)を利用すると必要なときにだけマウントされます.CD-ROMを入れてから /misc/cdにアクセスするとCD-ROMを見ることができるのは,このautomountが動いているからです.設定の仕方は /usr/doc/JF/Automount.txt.gz を参照して下さい.
NFSなどでLAN内のホストを相互に接続した場合,各ホストの時刻を揃える必要があります.NTP(Network Time Protocol)は内蔵の時計を同期させるのに使います.設定ファイルは /etc/ntp.conf に置かれています.NTPに関しては /usr/doc/JF/Clock.txt.gz を参照して下さい.
サービスの起動と停止は
# /sbin/service xntpd {start|stop}
です.