TeXでシカゴスタイルの引用形式
(Chicago Manual of Style)を使いたいとき

TeXの参考書を読むと,引用形式はたいてい山本[1]とか Smith[2]という方法を例にあげてます.ところが,私のいる分野の論文ですと,山本 (1982),とか Smith et al. (1995) なんていうふうな引用形式を要求されます.

こういう書式のことを Chicago Style というらしい.ふううん.Elsevier は Harvard Style と読んでるみたいだけど,違いがわからん.

これじゃ BibTeX 使えないよう,しくしく(;_;) としばらく泣いてたので す が,CTAN (鶏蛋湯ではない) にシカゴ形式のスタイルファイルがあったので, Mac と Linuxの pTeX に入れて試してみました.

[インストール]

ここでは Vine Linux をもとにして書いてます.他のディストリビューションや FreeBSD でもディレクトリ構成以外は一緒でしょう.ついこないだまでは Debian hamm で使ってました.

Mac pTeX の場合は行末コードを CR に変えないとうまく動きませんでした.
これ忘れたせいで,しばらくハマりました.

chicago のありか

持ってきたのは
chicago.bst chicago.sty chicagoa.bst
の3つ.

chicago.sty は /usr/share/texmf/tex/latex/chicago/
chicago.bstと chicagoa.bst は /usr/share/texmf/bibtex/bst/chicago/

へコピーしました.

私は chicago 形式を常用するし,めんどくさかったので,そのまま /usr/share/texmf ディレクトリに放り込みました.ほんとは /usr/local かホームディレクトリに然るべきディレクトリを作って,環境変数 TEXMF でパスを読み込ませるのがスジなのでしょう.

そのあと /usr/share/texmf ディレクトリで
    mv ls-R ls-R.orig
    ls -LR /usr/share/texmf /usr/share/fonts/pk > ls-R

として ls-R ファイルを更新.

[こうして使ってます]

chicago 形式を使うには,まず,tex ファイルのプリアンブルで
    \usepackage{chicago}
と定義します.
そして引用文献の箇所では
    \bibliographystyle{chicago}
    \bibliography{BibTeXで作った文献ファイル名}

とします.

文献ファイル( *.bib )は,一般的な番号式のものと同じ形式で作成すればOKです.

[実際の引用]

1. 引用方法はちょっと変わってます.

\cite{参照名}で引用すると;
Some fruit species, such as pistachio \cite{parsa1975} and date palm \cite{furr1968} are salt tolerant.
は,
Some fruit species, such as pistachio (Parsa and Karimian 1975) and date palm (Furr and Ream 1968) are salt tolerant.
となります.

\cite{参照名1,参照名2,...}とすれば;
Some fruit species are salt tolerant \cite{furr1968,parsa1975}.
は,
Some fruit species are salt tolerant (Furr and Ream 1968; Parsa and Karimian 1975).
となります.

ちなみに,同一年度の文献は,自動的に(Hoge 1999a, 1999b)としてくます.

2. 文中で引用する場合,

ふつう著者が3人以上の場合は主著者の名前に et al. を付けて表記します.ところが,\cite{だれそれ}で参照すると著者名は文献データベースに登録してある全員が出てきてしまい,困ります.

著者が3人以上いる場合は,
\shortcite{参照名}
とします.こうすれば,主著者 et al. と表現できます.

Land maintenance and reclamation is also practiced by improved irrigation methods and mulching \shortcite{oster1984}.

Land maintenance and reclamation is also practiced by improved irrigation methods and mulching (Oster et al. 1984).

3. 著者名が主語や目的語になってる場合,たとえば;

Yeo (1986) noted difficulties in selecting salt tolerant traits in a conventional breeding program.
と書きたい場合は,
\citeN{yeo1986} noted difficulties in selecting salt tolerant traits in a conventional breeding program.
というふうに,\citeN を使います.

2.と同様に,主著者 et al. としたい場合には,\shortciteNとします.

4. 引用形式の一覧は以下のとおりです.

英文オリジナルはchicago.styファイルの最初に書いてあります.

\cite{key}
著者全員と年号を表示.
eg. (Brown 1978; Jarke, Turner, Stohl, et al. 1985)
\citeNP{key}
著者全員と年号を括弧なしで(Non Parentheses)表示.
eg. Brown 1978; Jarke, Turner and Stohl 1985
\citeA{key}
著者全員のみ(Authors)を表示.
eg. (Brown; Jarke, Turner and Stohl)
\citeANP{key}
著者全員のみ(Authors)を括弧なしで(Non Parentheses)表示.
eg. Brown; Jarke, Turner and Stohl
\citeN{key}
著者全員と年号を表示する.ただし,文中で名詞として扱う場合に使う.
著者名はそのままで,年号を括弧に入れる.
eg. Shneiderman (1978) states that......
\citeN はいちどに1文献の引用しかできません.
\shortcite{key}
主著者と et al. と年号を表示.
eg. (Brown 1978; Jarke et al., 1985)
\shortciteNP{key}
主著者と et al. と年号を括弧なし(Non Parentheses)で表示.
eg. Brown 1978; Jarke et al. 1985
\shortciteA{key}
主著者と et al. のみ(Authors)を表示.
eg. (Brown; Jarke, Turner and Stohl)
\shortciteANP{key}
主著者と et al. のみ(Authors)を括弧なし(Non Parentheses)で表示.
\shortciteN{key}
主著者と et al. と年号を表示する.ただし,文中で名詞として扱う場合に使う.
著者名 et al. はそのままで,年号を括弧に入れる.
eg. Shneiderman et al. (1978) states that......
\shortciteNはいちどに1文献の引用しかできません.
\citeyear{key}
年号だけ,括弧ありで生成する.
\citeyearNP{key}
年号だけ,括弧なしで生成する.

[文献リストの作成]

文献データベース(*.bib) から bibtex を使って文献リストを作成する方法は,通常の方法(番号式)と全く同じです.
platex hoge
bibtex hoge
platex hoge

で,生成された hoge.dvi にはちゃんと chicago 形式で引用されてると思います.

[今後の展開]

このスタイルファイル,結構気に入って使ってます.styとbstファイルをいじれば,(Hoge and Fuga, 1999) みたいにカンマ入れたり,et al. をイタリックにできるんでないかと思いますが,必要に迫られてないので,まだやってません.

rpmファイルも作りたいんだけど,まだやってません.m(_ _)m

ファイルの中身をいじって,“et al.”を,“ら”に変えれば日本語でも使えるのかもしれませんが,試してません.そのうち必要に応じてjchicagoスタイルファイルでも作って試してみようかと思ってますが,いまんとこ日本語で論文書くことないので,現状とりあえずOKとして使ってます(むっちゃいい加減).


くぼちゃん (kubochan@ss.iij4u.or.jp)

Last modified: Mon Jul 5 10:39:38 JST 1999