Vine Linuxで提供されているいくつかのユーティリティーの便利な使い方を紹介します.
tgif では,[Shift]+[Space]を入力することによって,kinput2による日本語入力を行えます.提供されている tgif は Vine Linux 2.0 付属のダイナフォントを活用できるように設定してありますので,ポップ体や行書体,隷書体を用いることができます.また,各書体の斜体も使用可能です(日本語のボールド体の表示も tgif 上では行うことはできますが,ボールド体の出力はできません).
明朝体とゴシック体以外のフォント(斜体字を含む)を利用して作成したファイルを印刷したり,出力したepsファイルをTeXなどで用いる場合には,ghostscriptの設定を多書体モードにする必要があります.ルート権限で,
$ setgsfont dynaを実行してください.ただしこのモードでは ghostscript の起動に時間がかかり,またメモリ消費も大きくなります.多書体モードから標準モードに戻すには,
$ setgsfont basicを実行します.現在の設定モードは,
$ setgsfont statusで知ることができます.
また,印刷に日本語PSプリンタを使ってる場合には,日本語はghostscript経由で出力するようにしてください(明朝体とゴシック体以外を標準装備している日本語PSプリンタは少数です).設定方法についてはプリンタ設定のページを御覧ください.また,この解説は,
/usr/doc/tgif-4.1.26/README.jp にもあります.
( 図)
Vine Linux では TeX を用いる上で必要になる基本的なパッケージを揃え,さらに Vine Linux 2.0 CR版では,付属するダイナフォント(明朝体,ゴシック体,ポップ体,隷書体,行書体),および,それぞれの斜体文字を用いることができます.ダイナフォントがインストールされていない場合(Vine Linux 2.0 ftp版)でも,日本語(明朝体およびゴシック体)の斜体文字の使用が可能になります.また,いずれの書体でも横書きではJISフォントメトリックを採用しており,kanjifonts.sty を使用しない場合に比べ,撥音や句読点の前後のスペーシングがより適切に行われますので,多書体を用いる用いないに限らず kanjifonts.sty の使用をおすすめします.
サンプルファイルは
/usr/doc/pLaTeX2e_Macros-2.0/kanjifonts-1.0/以下にあります(収録のバージョンにより,上記ディレクトリ名が若干変わる場合もあります).README に解説が書かれていますので御覧下さい.
なお,TeXで各種ダイナフォントを利用する場合には,Tgif の場合と異なりghostscript の設定は標準モードでプレビュー・印刷が可能です.
kanjifonts.sty には以下のオプションがあります.
dvips により作られるpsファイルには,明朝体,ゴシック体が組み込まれません.よって PSプリンタで出力する場合には,明朝体とゴシック体はプリンタ内蔵フォントを用います(xdviでの表示は,Vine Linux 2.0 CR版 ではダイナフォントが用いられます).
全てのフォントについて,ダイナフォントを用います.PS プリンタを用いてない場合には,xdvi による表示,印字ともオプションなしの場合と同じです.
ダイナフォント等がインストールされてない,またはフォントの設定が異なるマシンで,kanjifonts.sty を用いて作成したTeXファイルを使用する場合に用いると,ポップ体はゴシック体におきかえられ,隷書体と行書体は明朝体におきかえられます(もちろんkanjifonts.styは必要になりますが).
書体 命令 \textbf による書体
-------------------------------------------------
明朝体: \minfamily ゴシック体
ゴシック体: \gtfamily ゴシック体
行書体: \gyofamily 行書体
ポップ体: \popfamily ポップ体
隷書体: \leifamily 隷書体
斜体にする場合には \slshape{} を用います.
ダイナフォントを用いる場合には,xdvi でのプレビュー時に,"「","」"や句読点が若干ずれて表示される場合がありますが,出力時には適切な位置に来るように調整を行っています.より正確なプレビューには dvips でPSファイルに変換後,gs を用いて行ってください.
bashconfはシェル bash2の設定を行うためのGUIツールです.標準で使われているbashのバージョンは 1.14です.bash2を使うためには,bash2をインストールし,/etc/passwdの最後のフィールドを修正して下さい.
user:YJr1W4E3kVqXz:100:100:Vine User:/home/user:/bin/bash2
ただし,rootのシェルは変更しないで下さい.次にログインしたときからbash2が使われるようになります.
bashconfを起動すると,メニューが現れますので,必要な設定を選んで下さい.設定はファイル~/.bash_optに書かれます.~/.bashrcには以下の行を追加します.
case $BASH_VERSINFO in
2)
if [ -f ~/.bash_opt ]; then
. ~/.bash_opt
fi
;;
esac
ncftpはftpよりも使いやすくしたFTPツール(インターネットファイル転送プログラム)です.ビジュアルモードが用意されており,転送の様子が視覚的になっています.また,READLINEを採用しているためbashなどと同様に,コマンドライン上での補完・編集が可能です.さらに,独自のブックマーク機能により,一度訪れたサイトの情報を保持し,再度訪れたときは前のディレクトリからスタートすることができます.
例えば,ftp://rpmfind.net/linux/にanonymous(匿名)で,アクセスするには以下のようにします.anonymousの場合は自動的にユーザ名に anonymousを入れ,パスワードにメールアドレスを入れてくれます.
$ ncftp ftp://rpmfind.net/linux/
アクセスに成功するとプロンプトが現れます.シェルを使うときと同様に cdやlsを使うことができます.ファイルを取得するにはgetコマンドで,ファイルを置くにはputコマンドを用います(書き込み許可が出ているときのみ).ncftpを終了させるにはquitと入力します.
> cd Vine
> ls
COPYING INSTALL.TXT Vine_Linux_2.0 dosutils/ misc/
INSTALL.EUC Vine/ boot.catalog* images/ rr_moved/
> get INSTALL.EUC
Receiving file: INSTALL.EUC
100% 0 =============================================> 33137 bytes. ETA: 0:00
INSTALL.EUC: 33137 bytes received in 0.49 seconds, 66.55 kB/s.
> quit
ncftpの使い方は,jman ncftpでオンラインマニュアルを参照して下さい.
mtoolsはMS-DOSのファイルをUNIXで使うためのツール群です.MS-DOSフォーマットされたフロッピーディスクにファイルを書き込んだり,読み込んだりすることができます.基本的にMS-DOSのコマンドにmを付けたコマンド名になっています.フロッピーディスクドライブは a:で表されます.この設定は
/etc/mtools.confに書かれています.ZIPドライブも設定次第で同様に使うことができます.詳細はオンラインマニュアル man mtoolsを御覧下さい.
$ mdir a: フロッピーのファイルの一覧
$ mcopy file.txt a: ファイル file.txt をフロッピーにコピー
$ mcopy a:file.txt . フロッピー上の file.txtを読み込む
$ mdel a:file.txt フロッピー上の file.txtを消去
$ mmd a:dir フロッピー上にディレクトリ dirを作成
$ mcd a:dir ディレクトリ dirに移る
$ mdeltree a:dir ディレクトリ dirを消去
フロッピーディスクをフォーマット(初期化)するには,物理フォーマットおよび論理フォーマットを行う必要があります.物理フォーマットはfdformatコマンドを使います.
$ fdformat /dev/fd0H1440
Double-sided, 80 tracks, 18 sec/track. Total capacity 1440 kB.
Formatting ... done
Verifying ... done
fdformatコマンドはmtoolsではないので,a:を使うことはできません.論理フォーマットは次のいずれかの方法でできます.
$ mformat a: または
$ /sbin/mkfs.msdos /dev/fd0
PostScriptはページ記述言語で,プリンタへ出力するときなどに使われています.ここでは,いくつかのアプリケーションを使ってPostScriptへ変換し,プリンタへ出力する方法を紹介します.プリンタの設定は「 Vine Linux の印刷環境の設定方法と使用方法」を御覧下さい.
テキストファイルをPostScriptへ変換するには mpageコマンドを用います.mpageコマンドは数ページの内容を1枚にまとめて出力する機能があります.標準では 4ページ分を1枚にまとめます.例えば,テキストファイル file.txtを2ページを1枚にまとめて,PostScriptへ変換するには以下のようにします.
$ mpage -2 file.txt > file.ps
直接プリンタに出力するには,-Pオプションを付けます.
$ mpage -2 -P file.txt
PostScriptに変換されたファイルを見るには gvコマンドを用います.プリンタに送る前に内容を確認した方が用紙を無駄にしなくて良いでしょう.gvからプリンタに出力させることもできます.
$ gv file.ps
LaTeXで生成された DVIファイルは xdviコマンドで見ることができます.また,dvipsコマンドを用いると DVIファイルをPostScriptへ変換することができます.実は xdviは dvipsを利用して,プリントアウトしています.
$ dvips file.dvi
プリンタへ出力するには lprコマンドを用います.
$ lpr file.ps
プリンタへ送ったエントリーは lpqコマンドで表示させることができます.もし,間違えたファイルをプリンタに送ってしまったら,lprmコマンドで出力をキャンセルすることができます(出力される前ならば).
$ lpq
$ lprm (job番号)
「job番号」は lpqを実行したときに現れるエントリーに付く番号です.